
梅雨明けが近く、本格的な暑さが始まる頃。
集中豪雨のシーズンでもある。
蓮の花が咲き、あの夏らしい蝉の合唱が始まるのも
もう間もなくという。
さて今回は季節の食材ウニの話です。
ウニは日本全国の比較的浅い岩礁帯の海に広く生息して
います。
食用として利用されるのは二種類、ムラサキウニと
バフンウニの仲間ですが、この時期に旬を迎えるのは
ムラサキウニです。
餌となる海草を求めて、見た目より活発に動き回り、
繁殖力も強く異常発生すると周囲の海草を食べ尽くし
磯焼けを起こす厄介者です。
磯焼けとは海藻が食べ尽くされてしまった不毛の海。
しかもそうゆう場所は、大きなウニがゴッソリ採れても
海草不足つまりは餌不足ということになり、身は痩せていて
食用にはならないようです。

すごい勢いで繁殖し、大切な海藻を根こそぎ食い荒らし
駆除の対象にまでなっている大迷惑のムラサキウニですが
この危機的状況をひっくり返してしまう位のなんとも嬉しい
ニュースが入ってきました。
「廃棄予定のキャベツを与えたら、良質のウニに変わった!」
・・・神奈川県水産技術センター(三浦市)
廃棄レベルのキャベツ1個を80匹のウニに与えたところ
3日間で完食したという。
捨てなければならない葉物野菜をそのままウニの養殖の餌に
できる!何てエコロジー!何て合理的解決方!

しかも腹ペコのウニは、海を埋め尽くすくらい大繁殖していて
集めるのは簡単。
ついでに養殖場所も海をそのまま利用して、餌のキャベツが
流れ出て海を汚さない工夫をし、ほとんど天然のウニの養殖が
できないものだろうか?と欲が出てくる。
ウニの身、生殖腺は成熟すると全体重の20%ほどになるが
実験前は2~3%だったやせたウニの身が、完食後には最大で
17%に育ったそうだ。
たった三日でそんなに回復するなんて、驚くほど効率が良くて
信じがたいことだが、さらにうまみ成分も分析の結果市販の
ウニと同等との結果が出たというから、いいこと尽くめ。
地元の県立海洋科学高校や、京急油壺マリンパークと連携し
商品化に向けた実証実験を開始したとのこと。
それほど遠くない将来に、安くて美味いウニが出回る日が
すぐそこまで来ているかも・・・?
これが事業化され良い結果が出たら、追って報告したいと思います。
関係者の方、新しい情報をお持ちの方お持ちの方、おしらせください。






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